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フリー・フォール

 17,2014 23:59
今年は見てきたぞ、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭(TILGFF)!


昨年は今ひとつ食指の動く作品がなかったので見送ったのだが、今年はちょっと心惹かれる作品がいくつかある感じ。


というわけで先日、レイトショー上映しているユーロスペースに行ってきたのだけど。


上映30分前に整理券引き換えに行ったら、超後ろの番号でビビったわたしとvivian先輩。のんきに腹ごしらえしてる場合じゃなかった!


なんとか並んで座れ、期待に胸を膨らませながら、「フリー・フォール」を見た。


フリー・フォール
原題:Freier Fall
監督:ステファン・ラカント 2013年 ドイツ

140718a.jpg

警官としてのキャリアは有望、長年の恋人ベッティーナは妊娠中、マルクの人生は順調そのものだった。警察のトレーニング・キャンプでカイに出会うまでは…。ジョギングをしながらカイと友情を育むうちに、自らの抑えきれない欲望に気づくマルク。やがて彼はベッティーナに隠れてカイと密会するようになり、コントロールを失っていく。ドイツ版『ブロークバック・マウンテン』の呼び声も高い、激しくはかない愛の物語。(TILGFF公式サイトより)


内容紹介を読んで、わたしもvivian先輩も、激しく心が惹かれたのだけど――ちょっと思っていたイメージと違う作品なのだった。


ネタバレを含むので折りたたみます。
確かにマルクは、妊娠中の恋人・ベッティーナと、同僚のカイとの間で揺れ動いていた。でもわたしは、揺れ動くマルクを見ながら、こう思っていた。


――マルク、クズ男だよなぁ……――


ベッティーナか、カイか、マルクは選べない。というか、実は「選ばなければ」とあんまり思っておらず、あわよくば平行して関係を持ち続けたいと思っていたんじゃなかろうかと疑いたくなるほど。


カイに「ゲイだって認めろよ!」と迫られると、「俺はゲイじゃない!」と突っぱねるし、ベッティーナに「何か隠してるんじゃないの?」と尋ねられると、「何の話?」とばかりにそらっトボける。


カイとキスしているところを母親に見られたことで、いよいよ自分のゲイ指向を打ち明けるのか!? と思いきや、マルクの両親から「息子がゲイなのはあなたのせいだ」とカイが責められる場に居合わせたのに、カイを庇いもしない。


140718b.jpg
ゲイフォビアの同僚とのいざこざを仲裁してケガしたマルクを、心配そうに見つめるカイ。この後、キスをしてマルクのママに見つかる


挙げ句、翌日にカイのアパートを訪ね、あっさりと合鍵を置いて一方的に別れを告げる。ホモフォビアの同僚・リピンスキーにひどく殴られたカイを、たいして労わることもなく。


カイと別れた後に自宅に戻ると、ベッティーナが子供とともに家を出ようとしているところに居合わせる。もしかしてカイとつきあっているのでは……と疑うベッティーナが、のらりくらりとはぐらかすマルクに業を煮やしたのだ。


でも、マルクはただうろたえて、ベッティーナに「出て行かないでくれ」とすがるだけ。もちろん、そこでカイとのことを打ち明けたりしない。


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友人のところにいるベッティーナに、とうとうゲイだと打ち明けたシーン。ベッティーナの表情の硬さに怒りと失望を感じるわ……


二人を失いたくないという気持ちや、自分のゲイ指向を打ち明けるのは怖いという気持ちは、想像できますよ? でもマルクを見ていると、あまりに自己中心的で、ゆえに自己保身が強すぎて優柔不断、まったく共感できない。カイとベッティーナの気持ちに対して、鈍感すぎるんだよ!


結局、どちらかを選べなかったマルクは、どちらにも去られてしまう。これまでノンケだと思っていたのに男性を好きになったので悩んで揺れてしまった――と考えられなくもないけれど、どっちもが女性だとしても、あるいは男性だとしても、マルクの態度はあまりに不誠実だった。


マルク、アンタは苦悩していただろうけど、最後まで相手に誠意を見せられなかったんだもの。自業自得だわねぇ……。<心の中の“バーのママモード”発動


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悩みながらランニングするマルク。マルクとカイが親しくなったのもランニングシーンだし、オープニングとラストも訓練所でのランニングシーンと、作品中、走るシーンが印象的に使われていた


見終わった後、vivian先輩と「マルクがまったくダメな男だったねぇ」と唸りながら映画館を出た。しかし先輩は、


「まあ、“揺れる人”って魅力的に見えることがあるからねぇ」


と、わたしよりはマルクに対して理解を示してみせた。


「そういう、揺れる人に惹かれるカイとベッティーナの気持ちも、わからないでもないわ」


――それって……カイもベッティーナもだめんずに惹かれる傾向があるってことじゃ……?


わたしがこうまでマルクにイラつくのは、わたしが非常に軽蔑している、「相手の好意に胡坐をかく・つけ込む」という態度を思い起こさせるから、なのかも。


マルクはわたしたちにとって残念なキャラだったけど、反対にわたしたちの心を鷲掴みにしたのは、カイ。


「もうさー、アンタにはマルクじゃなくて、絶対ほかに、アンタを大事にしてくれるいい男がいるよって、ずっと思ってたよ!」


「わたしもです! もうカイがあまりに気の毒で……。マルクにはもったいなさすぎる!」


と、道玄坂を下りながら、しきりにカイを哀れんだ。


140718d.jpg
カイのマルクに対する、切なそうな、愛しそうな瞳がもう、ね。カイ、きっといい男はいるはずだよ……!


もちろん、ベッティーナにも心から同情しましたよ。あんなに可愛いコを苦しめちゃダメだ!


「けど、カイが“受け”だったのはちょっとビックリした!」と言っていた先輩だけど、わたしは逆に、「やっぱり“受け”か」と思ったんだよね。これは唯一、先輩と意見が食い違っていた点ですね。<下世話


帰りの電車の中でTwitterをのぞいてみると、やはり映画を見たらしい人のTweetががんがんRTされていたのだが、わりとマルクに対して同情的なツイートが目について、ちょっと意外だった。


みなさん、懐が深いなぁ――つか、わたしに情緒がなさすぎるのか……?


まあ、映画をはじめ、作品の感じ方や受け取り方は人によって違うということを再認識、というところですかね。




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Tags: ゲイ バイ クィア映画 LGBT

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