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微妙に違う雰囲気

lucinda

なんだかこの人の絵、見たことあるなぁ…と思いながら買った「ここにキスして」。
ここにキスしてここにキスして
ヤマダ サクラコ

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読みながら、以前読んだ「今宵、天使と杯を」(英田サキ)の挿絵を担当していた作家さんだ!とようやく思い出した。遅い。

いやいや、あの作品、ストーリーも好きだったけど、挿絵も好きだったのでした。そうかそうか、あの人の単行本なのね。でも――小説のイラストで見るのと、コミックスで見るのとでは、なんとなく絵の雰囲気が違う感じ。絵柄というより、線というかタッチというか――絵心がないもので、的を外しているかもしれないけど――。コミックスの絵の方が、繊細な感じで淡々しているような。

直樹と、大学のバスケ・サークルの後輩・一志の「好きさ好きさ好きさ」がかわいい。一志は年下で直己のワンコということだけど、けっこう男前なワンコ。あんまりヘタレてません。むしろ、意地っ張りな部分を差し引けば、直樹の方がヘタレといえるかも……。いやいや、直樹のそういう意地っ張りなところがカワイイんだけど。

いいトシして現実逃避をしている、どうやら軽くダメ男っぽい陽介が、少年の優に慰められる「金魚」も、余韻の残る切なさって感じで、好きだな。

ところで、小説の挿絵の雰囲気と違うなぁ、と思った作家さんをもう一人。宮本佳野さん。

PLEASE-プリーズ-PLEASE-プリーズ-
宮本 佳野

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表紙の絵や扉絵のが、水彩画みたいで大人っぽい雰囲気。色使いも深みのある感じなので、よけいにそういう印象なのかも。この人の作品も、絵の線やタッチが、コミックスでの方がより繊細に感じてしまった。

この作品は、宮本さんの作品の中でとくに好き。素直じゃない佐倉と、そんな彼を温かく受け止める涼一の関係が徐々に深まっていく様子に、ちょっと心が和みます。「海の鳥篭、空のドア」は、過去に誤って人を殺した少年・竜の気持ちがものすごく胸に迫ってきて、ちょっと泣きそうになった。こうして少年は大人になっていくんだね。

宮本さんの作品は、「手をつないで空を」「甘い棘」も好きなのだけど、今まで読んだものはどれも、人の気持ちの細かい動きが、丁寧に追われているなぁ…と思う。

しかし、BLマンガ家さん、小説の挿絵も描きの、自分の作品の単行本も出しの、雑誌の商材に描きの、CD化すればそのジャケットも描きので、なんだか忙しそうだなぁと、ふと思った。「BL」というジャンルの中で、グルグルグルグル、超高速で回転している感じ。メディアミックス&ビジュアル化の加速の影響を、そんなところで実感してしまったのだった。

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Comments 5

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乱菊

やっぱりlucindaさんとは萌えポインツが同じなんだと思いました。
「好きさ好きさ好きさ」私もすごい好きなんですよ。
えらそうな受けは好物です。
しかもその他短編では「金魚」が好き。
「PLEASE-プリーズ-」はまだ未読だけれども・・・多分好きになると思いますよ(笑)
なので今のところで一番なのは、「手をつないで空を」と「甘い棘」。
佳野さんの作品も、しっかり筋が通っているので、読み応えがありますよね。
かるーいものも好きですけど、やっばり基本はこういうものがいいです。

「PLEASE-プリーズ-」買います~♪

lucinda

ヤマダサクラコさん、チェック済みでしたか。
さすが乱菊さん。 「えらそうな受け」って、たしかに!
言われて、気づきました。

宮本佳野さんも、乱菊さんにオススメしていただいたんですよね。
いつもお世話になっております。<深く礼。
ええ、きっと「PLEASE」はお好きだと思います。
「えらそうな受け」度は高くないけど(笑)、しっとりとした作品ですよー。
ぜひぜひ、読んでみてください!

  • 2006/11/19 (Sun) 18:28
  • REPLY
スイ

ヤマダサクラコさんの挿絵いいですよねー。
先日「今夜、天使と杯を」を読んだばかりだったのですが、こちらの評価で五つ星がついてるのを見て、思わずガッツポーズしました。
ヤクザものとしては少し異色かもしれませんが、英田さんの作品の中では一番好きです。
ヤマダサクラコさんといい、奈良千春さんといい、挿絵の上手い方は挿絵なりの見せ方を知っているような気がします。
一枚絵ならではの魅力、とでもいうのでしょうか。
挿絵では山田ユギさんも好きなんですけど、ユギさんの場合は「ユギ絵だから好きw」みたいな感じがします。

うみりす

おお! 丁度ヤマダさん読んでいてブログに書こうか、どうしようかと思ってたところだったので、なんだか不思議なタイミングですvv 素敵な絵柄ですよね~。あと、やおい研究の本を一冊発見したので、そちらもレビューしときます~。

lucinda

>スイさん

「今宵、天使と杯を」、お好きなんですね! 周りに、あまり「好き!」という人がいないこともあって、「わたしのひそかなお気に入り」的な作品なのですが、いやー、かなり嬉しいです。

>ヤマダサクラコさんといい、奈良千春さんといい、挿絵の上手い方は挿絵なりの見せ方を知っているような気がします。
ああ、本当に、その通りだと思いますね。それが、わたしが感じる「挿絵とコミックの雰囲気の違い」につながるのかもしれません。
ユギさんも大好きですよー! 「ユギ絵だから好き」っていうのも、思えば、作家さんのすごい引力ですよね。

>うみりすさん
あ、なんとなくシンクロですね(笑)。攻めキャラの、ちょっと苦味ばしった絵柄がイイですよねー。
やおい研究の本のレビュー、読みにまいります。わたしも今、オタク研究モノを読んでるんですが、なかなか進まず……いやいや、励みに読みきりまっす。

  • 2006/11/20 (Mon) 22:51
  • REPLY