“ムッツリ”攻めに納得―『鮮烈に闇を裂け』 (かわい有美子)

 06,2013 23:50
昨年末、Twitterで盛り上がった(一部しらけていた)かわい有美子さんの特殊部隊シリーズ。年明けに新作が出るということで、もう年末から首を長くして待っていた。


ちょうど発売日近くに出かけたので、早売り書店で手に入るかもと思いきや、見当たらなくてガッカリし、発売日予定には近所の書店に日参するも、影も形もなくてションボリし、さては思いがけない大雪のせいで輸送が狂ったのか!? と気を揉んだりして、どうにか手に入れた新刊「鮮烈に闇を裂け」。速攻、その日に読みましたとも。


その日に読んだにしては、レビューが今頃って! というご指摘は、甘んじて受けます――ねっとり読んでました……。


鮮烈に闇を裂け (幻冬舎ルチル文庫)鮮烈に闇を裂け (幻冬舎ルチル文庫)
かわい 有美子 緒田 涼歌

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SAT第一制圧班の高梁晄に第二班へ移るよう内示が出た。小柄で身が軽く手先も器用な点を買われての異動だが、第二班班長の飯田真也が第一班にいた際、高梁を密かに気にかけていたことも関係していた。無口な飯田に初めは戸惑う高梁だが、あるきっかけからつきあうことに。そんな折、銀行で立てこもり事件が発生、高梁が現場への潜入を命じられ―。


年末のTwitterで、


「今度の新刊はムッツリ攻めらしいんですよー!」


という情報をキャッチしていたけれど、一読して納得。


攻めの飯田は、器用貧乏が一周回って不器用になっちゃった感じの、超絶ムッツリでした。


かわい先生はいったいどんな風に“ムッツリ”を描かれるんだろうとワクワクしていたのだけど、


●キャンプで思いがけず二人きりになった夜、飯田は辛抱たまらなくなって強引にアキラこと高梁を抱き、ス○タで“抱き潰し”た(※本文の表現引用)。本番じゃありませんよ? その手前で何度もやっちまったんです。


●行為の最中、飯田のセリフはといえば、「アキラ」「かわいい」がほとんど。もう胸いっぱい・頭いっぱいでそれしか言えないらしい様子がビンビン伝わる。


●飯田がアキラのことを意識し始めて以来、どれだけ妄想の中でアキラにあれこれしたかが滔々と語られる。ジョギングするアキラがショートパンツだったらとか海パンだったらとか、etc。


――先生、さすがです! 緒田涼歌さんの飯田の絵を見ながら読むと、二度三度と味わい深い。


もう、ムッツリをこじらせたような飯田だけど、仕事では一班を任されるほどの実力を持ち、アキラを強引に抱いてしまった翌朝には速攻で謝りつつ、仕事における自身の処遇をアキラに委ねようとするなど、妙に潔い。かと思えば、浮かれると、同僚や上司の前でアキラを抱っこする弾けっぷりを見せるし。


真面目か! 振り幅大きすぎだって!


ちなみに受けのアキラこと高梁は、「俺のこと、大事にしてくれますか?」とうるうるした瞳で訴える、仕事は有能なのに、恋愛はとことん受け身で臆病なウブっ子でした。アキラ、ムッツリだけど誠実なのは間違いなさそうな飯田と幸せになっておくれ!


二人の関係がちょっと微妙に気まずくなった時に発生した、銀行立てこもり事件の突入シーンは、読んでいてハラハラした。昔の三菱銀行人質事件がベースになっているということでwikiで調べてみたのだけど――凄惨でした……。


巻末に、前作の主人公カップル、犬伏と橋埜の掌編が収録されていたのも嬉しかった。犬伏の下心がある時の丁寧語、ツボだなぁ。


どうやら橋埜は飯田とアキラの関係に勘付いているらしく、飯田&アキラ、犬伏&橋埜が絡む物語を、またぜひとも読みたいと、心の底から思った。


同人誌ででもいいので、先生、どうかぜひとも……!


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Tags: かわい有美子 緒田涼歌 警検麻ヤ

Comment 1

2013.02.11
Mon
02:20

lucinda #-

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拍手コメントRES

>02/07 13:39 Iさま
コメントありがとうございます~!
「真面目か!」は、もうまさにソコを思い浮かべちゃった(苦笑)
読みふけってしまう作品があるのは幸せだから、それでよし!

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