FC2ブログ

“同性愛”という言葉の誕生の影響力―「江戸のエロスは血の香り」(氏家幹人)、「男の絆 明治の学生からボーイズ・ラブまで」(前川直哉)[3]

0
男同士の精神的な深い交流は“真の友情”であり、女との恋愛なんぞより素晴らしいものだ(※ただし肉体関係はナシ)――といった主張が、学生男色衰退後に繰り返された明治時代後期。やがて大正時代となって、“同性愛”という言葉が誕生すると、その主張は、ますます揺るぎないものになっていった。男の絆 明治の学生からボーイズ・ラブまで (双書Zero)前川 直哉 筑摩書房 2011-05-27売り上げランキング : 331401Amazonで詳しく見る by...

色恋抜きの“男の絆”の始まり―「江戸のエロスは血の香り」(氏家幹人)、「男の絆 明治の学生からボーイズ・ラブまで」(前川直哉)[2]

0
“お互いに切磋琢磨し合う”対等な関係として賛美され流行っていた、明治時代初期の学生男色は、女学生の登場によって“男女間の恋愛の代わり”という軟派なシロモノになり、衰退した。男同士の肉体的な接触に眉をひそめていた明治の有識者たちは、さぞかし胸をなでおろしていただろうと思いきや、そういうわけでもなかったらしい。ここでは、前川直哉著『男の絆 明治の学生からボーイズ・ラブまで』(以下、『絆』)を中心に、感想を...

あの時代の男色が衰退した背景は―「江戸のエロスは血の香り」(氏家幹人)、「男の絆 明治の学生からボーイズ・ラブまで」(前川直哉)[1]

1
読み終わってすぐ、レビューを書こう! と心に決めてから、気が付けばほぼ2年――。ズルズルと時間だけが流れてしまい、今やレビューどころか、本の内容の記憶さえもボンヤリしてしまっている体たらく。どうしてこうもいい加減なんだろう……と、激しく自己嫌悪していたのだけど、どんな形ででもレビューとして残しておきたいという気持ちだけは萎えなかったので、夏休みに心して再読したこの2冊。江戸のエロスは血の香り氏家幹人 朝...

あの時代小説を再読してみたら

0
黒ニコさんのブログで取り上げられていた「柳生非情剣SAMON」。これ、隆慶一郎の小説「柳生非情剣」のコミカライズなんだけど、黒ニコさんのレビューとレスコメントを読んで、無性に原作を読み直したくなってしまった。わたし、一時期、隆慶一郎作品にドップリとハマっていたので、原作は持っているんです。読み直したくなったポイントは以下の通り。(1)コミックには、家光と左門の濡れ場はないそうだけど、原作はどうだったっけ...

戦う時は必ホモか/BL新日本史

9
日本史をボーイズラブ目線で語ったら――。BL新日本史堀 五朗 幻冬舎コミックス 2006-12売り上げランキング : 333Amazonで詳しく見る by G-Toolsしかし「BL」って……べつにホモでもゲイでも同性愛でもいいじゃん、と思うのだが、筆者によると、「現在の同性愛とは、本質的な精神性において、安易に比較できない」という考えから、「BL」を使ったらしい。うーむ、BLに特徴的な、いわゆるモノガミー(一夫一婦制)的雰囲気が、念契(義...

挿入の歴史的根拠?

2
いきなりだけど、やおいの世界のセックスには、必ず「挿入」があることが、なんとなく不思議な気がしていた。なんだか、「挿入あってこそセックス」というか、「挿入することで2人は一つになる」というか、そんな雰囲気というか願望というか妄想というかを作品からそこはかとなく感じていて、しかし――でも別に男同士だからといって、絶対挿入があるわけでもないんじゃないかなぁ――とも思っていた。どこかで聞いたか読んだかした、...